人形はなぜ殺される
また三大名探偵、神津恭介登場です。
最初から高木先生の挑戦状で始まります。「人形はなぜ殺される?」要はこれが解ければおのずと事件の全貌が明らかになるのだそう。先生、ちょうど決闘の本でも読んでいらしたのか何度も「手袋を投げる」描写が出てきます。
アマチュアマジシャンの発表会の楽屋で盗まれた人形の首、そして首のない女性の死体。犯人もわからぬまま今度は静岡・興津の別荘の地下室からマネキン人形が盗まれ、第二の殺人が・・・。
黒ミサやサバトの夜、オールドブラックマジックなどおどろおどろしい雰囲気満載。でも江戸川乱歩ほどには怖くないです。なんせジュブナイルのポプラ社の「黄金仮面」ですらいまだに夢に見るほど怖いもん。
第二の殺人がおこなわれ神津探偵が現場に到着。容疑者を尋問するのですが探偵、蒲柳の質なので途中でぐったり。探偵で腺病質だと大変そう。そして第三の殺人、第四の殺人予告。ワトソン役の松下は犯人に殴られて入院するし、探偵も今回は大いに悩みます。悩んだ挙句犯人間違ってます。しかも真相に気づいた人が探偵の前に二人も。教えてくれてもいいのにね。
トリックは本格好きの間で評価が高いのもうなずけます。私は第一の殺人トリックが半分わかったくらいであとは脱帽。犯人の動機はちょっと弱い気もしますがトリックは巧妙。「刺青殺人事件」よりこちらがおすすめかな。
「刺青殺人事件」よりキャラは立っていた神津探偵。松下や高川警部とのやりとりもユーモラス。ただ探偵の凄さを表現するためなのか色々な知識を詰め込み過ぎたきらいが。些末な事なんですが神津探偵がある人を評する際にデュカスの「魔法使いの弟子」を持ち出してきます。映画「ファンタジア」のミッキーマウスですよね。これは魔法使いの弟子が師匠に命じられた水汲みに飽きて箒に魔法をかけて仕事をしてもらうがうまく魔法がつかえず水浸し。魔法の止め方もわからず箒を二つに折ったらさらに水が。最後は師匠が帰ってきて一喝されて水も止まる。こんな話なんですが神津探偵は「その心は」と聞かれて「主が主なら家来も家来」って答えるんです。なんだかちょっと違う気がするのだけど。そのあとに歌舞伎に例えて弟子は到底師匠に及ばないと言ってはいますが、これはつまりただ知識として「魔法使いの弟子」を持ち出しただけではないのかと。全編魔術師が出てくるので使いたかったのかも知れませんが、私はこの部分がずっと引っかかってもやもやしたまま読了。
「細かいことが気になる、僕の悪い癖」杉下右京じゃないですが、高木先生すみません。私には実は本格は向いてないのかな。
サッカー、残念でしたね。隊長はギリシャやイタリアの選手が審判に抗議するポーズが殊の外お気に入りで、出勤前に何度も「オーノー」とやって会社へ。そのテンションで頑張れ!隊長。
by duckparty
| 2014-06-25 13:28
| 本
|
Comments(1)
Commented
by
skuna@docomo.ne.jp
at 2014-06-26 02:06
x
えっとこちらのブログすごいびっくりして…
なんだか自分のことを言い当てられてる気がするくらい、思わずブックマークしちゃいました!
共感もしたし、本当にウチの中で大切なことが書き込まれてるブログだと思ったんです。こんなにも素敵なブログを書く方ってどんなひとなんだろう?って思って
興味津々で初めて書き込みさせてもらいました!
なのでできれば直接お話ししたいと思って、名前の部分にウチの連絡を入れておいたのでよかったら連絡してくださいね。待っていますです!
※もし面倒ならこの書き込みも抹消しちゃって構わないので気にせずにお願いします。
いっぱいお話ししたいことだらけです!
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